【2024年第一四半期 確定版】シンガポール労働市場調査結果

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

シンガポール人材開発省(以降MOM)は、四半期ごとに当地の労働市場に関する調査報告書を速報版・確定版の2回に分けてリリースを行っています。

先日6月20日、2024年第一四半期における労働市場調査結果をリリースしました。

前回の速報版では、前四半期から総雇用人数が増え、リストラ対象者も減少していることから、緩やかな市場拡大が見られるとの見解でしたが、実際の着地はどうだったのでしょうか。

今回は、確定版としてリリースされた第一四半期について、MOMのレポートを元に詳しくご紹介いたします。

【目次】
1.雇用数が緩やかな拡大を続けた第1四半期
2.2024年3月の失業率とリストラ対象者数推移
3.第1四半期の求人数と求人倍率
4.採用率は低下の一方で退職率は横ばい
5.最後に


1. 雇用数が緩やかな拡大を続けた第1四半期

MOMは、2024年第1四半期は非居住者雇用が800人減少したのに対し、居住者雇用が5,500人増加したことにより、雇用総数は最終的に4,700人の増加であったことを発表しました。

居住者雇用の増加を牽引したのは、金融・保険サービス、行政、医療・福祉サービス、行政・支援サービス、教育などの分野でした。

これらの分野では、前四半期と比較して居住者の変動が大きくなっており、シンガポールでも今後より大きな成長が見込まれる分野とされています。

総括して2024年第1四半期は、前四半期の雇用人数の増加数が7,500人だったことと比較すると若干鈍化はしたものの、労働市場は緩やかな拡大を続けました。


なお、今回減少した非居住者の雇用は2021年第3四半期以来初めての縮小でした。

MOMによると、これは、過去2年間雇用がプラス成長であった建設・製造部門の外国人労働者枠(Quota)の引き下げが施行されたことにより、雇用数が減少したことが主因だそうです。

また、小売業、飲食料品サービス、宿泊業にも季節的な需要減が見られ、これらのセクターでも縮小が見られました。


2. 2024年3月の失業率とリストラ対象者数推移

2024年3月時点の失業率は、全体が2.1%、居住者(シンガポール人および㏚保持者)が3.0%、シンガポール人が3.1%の着地でした。

失業率について、MOMは「2023年第3四半期と第4四半期には、人員削減が進み、失業率が上昇する可能性があると以前から示唆していた一方で、現時点では労働市場の逼迫が続いていることから、失業率が持続的に上昇するとは予想していない」としました。


リストラ対象者数は前四半期から引き続き減少を続け、2023年第4四半期の3,460人から今四半期は3,030人へ減少しています。

この減少は、主に卸売業や電子機器製造業といったセクターでの人員削減が減ったことによるものだとされています。卸売業では、2023年第4四半期から2024年第1四半期にかけて、リストラ対象者数は510人から330人に減少し、電子機器製造業は540人から190人に減少しました。


なお、情報通信業の人員削減数も同期間に620人から580人に減少したものの、「リストラの水準は他産業に比べて高いままである」とMOMは述べています。


同レポートで、MOMは併せて「2024年第1四半期の人員削減の理由として、事業再編やリストラを挙げる企業が増えた一方で、景気後退や不況や高コストへの懸念による人員削減は減少した」と今後の経済・景気見通しについては前向きな見方を示しました。


3. 第1四半期の求人数と求人倍率

今回の確定版では、第1四半期の求人数および求人倍率も発表されました。

2024年3月の求人数は、2023年12月の79,800件から2,100件増え、81,900件と2四半期連続で増加しました。

求人数の多かった分野は医療・社会サービス、IT、専門サービス、金融・保険サービスなどの成長分野でした。

これらの分野での求人が全体の3分の1近くを占めました。


求人数の増加は2024年の経済見通しの改善を反映しているという見方がある一方で、失業者の僅かな増加により、求人倍率については2023年12月の1.74倍から2024年3月には1.56倍に低下しました。

求人倍率は2022年6月の2.54倍をピークに、低下の一途を辿っています。


MOMは、現状は「依然として求人数は求職者数を上回っている状況であることから、労働市場が引き続きタイトである」としています。

 

4. 採用率は低下の一方で退職率は横ばい

応募者総数に対して企業が採用をする割合を示す採用率については、2023年第4四半期の全体2.3%から2024年第1四半期には2.1%へとわずかに低下しました。

また一方で、退職率は1.4%で横ばいという結果でした。

MOMはレポートで、「今回の結果は従業員が特定の職種でより長く働いていることを示唆している」と指摘しています。


採用率の低下は、主に建設部門と飲食サービスや宿泊施設などの消費者向けサービスで見られました。

一方で、この減少傾向にもかかわらず、これらの部門の採用率はサービス産業全体の採用率平均を上回っているという結果でした。


5. 最後に

今回は、先日20日にリリースされたシンガポール労働市場調査結果の第一四半期確定版について詳しくお届けしました。

MOMは第2四半期への展望について、経済見通しの改善や求人数の持続的な増加、企業の雇用に対する楽観的な見方の高まりにより、雇用の継続的な改善が見込まれるとしています。

シンガポールでの事業計画を立てる上でも参考情報となる労働市場調査結果。

ますます今後の動向が注目されます。

引き続き続報がリリースされ次第、アップデートしてまいります。

詳細はMOMのホームページをご参照ください。

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