マイクロマネジメント vs. マクロマネジメント: Z世代はどちらを好むのか?を考える

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

従業員の生産性やパフォーマンスを考える際に切っては切れない関係にあるマネジメントスタイル。

従業員一人ひとりを細かく管理する「マイクロマネジメント」と、ある程度自由に見守る「マクロマネジメント」のどちらが優れているかという議論はこれまで多くのマネージャーたちの間でされてきました。

実際に、両方のスタイルにはそれぞれの利点と欠点がありますが、昨今その有効性は業界、そして従業員の世代によって大きく異なるこということが分かってきました。

そこで今回は、これら二つのマネジメントスタイルの違い、異なる世代がそれらにどう反応するのか、そして特に他世代と大きく価値観が異なると言われるZ世代に適したスタイルについてデータとともに探ってみたいと思います。


【目次】
1.マイクロマネジメントとマクロマネジメントを理解する
2.異なる世代の反応
3.Z世代に最適なマネジメントスタイル
4.統計とデータ
5.最後に


1.マイクロマネジメントとマクロマネジメントを理解する

まずそもそも、マイクロマネジメントとマクロマネジメントはどのように定義されているでしょうか。以下に詳しくご説明いたします。


マイクロマネジメント

マイクロマネジメントとは、管理者が高いレベルの監督とコントロールを行うことを特徴とするマネジメント手法です。

このスタイルでは、管理者がコントロールの大部分を担い、従業員には定められたガイドラインに厳密に従うことを求めます。

結果として、従業員にとってはプレッシャーが高まりやすく、創造性や自主性が制限されることがありますが、正確性や一貫性が求められる場面では有効と言えます。


マクロマネジメント

対してマクロマネジメントは、管理者が全体の方向性や目標を示しつつ、従業員に自主性を持たせるマネジメント手法です。

このスタイルでは、詳細な指示や頻繁な監督は行わず、従業員が自分の方法で目標を達成することを信頼し、ある程度任せます。

これにより、従業員はより多くの創造性や当事者意識を持つことができ、結果として高いモチベーションと生産性が期待されます。

このマネジメントスタイルでは、管理者と従業員の信頼と独立性を重視し、従業員の主体性を育むことを目的としていると言えます。


2. 異なる世代の反応

それでは実際に、異なる世代におけるマネジメントスタイルへの反応はどのようなものでしょうか。

以下に見てみましょう。


ベビーブーマー世代 (1946年~1964年生まれ)

階層構造や明確な指示に慣れていると言えるでしょう。

・マイクロマネジメントへの反応: 
構造や明確な指示を重視するため、一般的に受け入れられやすい傾向があります。

・マクロマネジメントへの反応: 
監督や指示が少ない状況に慣れていないため、マネージャーとの対話や打ち合わせなど、より直接的な関わりを好む傾向があります。


ジェネレーションX (1965年~1980年生まれ)

独立性と柔軟性を重視しつつ、定期的なフィードバックを好むでしょう。

・マイクロマネジメントへの反応: 
常に管理される状況を抑制的であると感じ、自身の進めている業務をある意味「監視」されると捉え嫌う傾向があります。

・マクロマネジメントへの反応:
自主性を持って仕事を進めることを好み、柔軟性と創造性を発揮できるマクロマネジメントスタイルで成果を上げやすいでしょう。


ミレニアル世代 (1981年~1996年生まれ)

仕事に「目的」を求め、協力的な環境を好むと言えます。

・マイクロマネジメントへの反応: 
管理されることへ不信感を感じやすく、一般的に好まない傾向にあります。

・マクロマネジメントへの反応: 
信頼や独立性、自らのキャリアの成長機会を重視するため、マクロマネジメントを好み、成果を上げやすい傾向にあります。


Z世代 (1997年~2012年生まれ)

意義のある仕事、迅速なフィードバック、独立性と指示のバランスを求めると言えます。

・マイクロマネジメントへの反応: 
ミレニアル世代と同じく、過度な管理を受けると感じ、やる気を失いやすいでしょう。

・マクロマネジメントへの反応: 
自主性を持って仕事を進めることを好むが、頻繁なフィードバックと明確なコミュニケーションを必要とします。


3.Z世代に最適なマネジメントスタイル

昨今労働市場を賑わせている新たな世代、Z世代。

これまでのマネジメント手法から大きな変革を求められるケースも少なくないでしょう。

Z世代は、デジタル技術革新をはじめ、これまでの環境と大きく異なる中での人格形成によって、他世代が自身との違いを認識するような独自の視点を持っています。

また、上記でもご紹介した通り、マクロマネジメントを好む傾向がありますが、マネジメントをする上で意識しておきたいいくつかの重要なポイントがあります。


自主性とサポートのバランス: 
まず、Z世代は独立性を重視しますが、必要に応じてサポートや指導も求めています。Deloitteが行った調査によると、Z世代の75%は独立した役割で働くことを好みながらも、メンターやサポートシステムにアクセスできる環境を望んでいるという結果があります。

頻繁なフィードバック: 
これまでの世代と異なり、Z世代は年次評価ではなく、継続的なフィードバックや評価を好む傾向にあります。

Gallup社の調査によれば、Z世代の従業員の実に60%以上が週に複数回の対話の機会を希望しています。

明確なコミュニケーション: 
自主性を重視する一方で、明確で一貫したコミュニケーションが重要と言えます。

Z世代の従業員は、自分に何が期待されているか、そして自分の仕事が全体像にどう貢献しているかを理解することを重視します。

テクノロジーの統合: 

スマホやインターネットをはじめとした技術革新とともに成長してきたZ世代。

テクノロジーに精通していることが多いため、自身の職場においてテクノロジーがシームレスに馴染んでいることを期待しています。

このため、デジタルツールを活用してコラボレーションやフィードバックを促進することができると、Z世代の従業員のエンゲージメントと生産性の向上が期待できるでしょう。


4.統計とデータ

最後に、Z世代に関する調査結果とデータをいくつかご紹介いたします。

・従業員のエンゲージメント: Harvard Business Reviewの調査によると、高い自主性を持つ従業員は、職務に高いエンゲージメントを感じる可能性が25%高いという結果があります。

・生産性: メルボルン大学の研究では、仕事の進め方に対するコントロールを与えられた従業員は、31%も生産性が高くなることが示されています。

・仕事の満足度: PwCの調査によると、マイクロマネジメントを受けている従業員の59%が仕事に対する満足度が低いと感じています。一方で、マクロマネジメントの下で働く従業員の45%がより高い仕事の満足度を報告しています。


5.最後に

今回は、マイクロマネジメントとマクロマネジメント、どちらが良いのかという疑問に対し、多様なニーズに対応するマネジメントアプローチについてご紹介いたしました。

マイクロマネジメントとマクロマネジメントの両方にそれぞれの役割がありますが、特に若い世代であるZ世代にとっては、マクロマネジメントがより効果的であることがわかります。

この世代は自主性、頻繁なフィードバック、明確なコミュニケーションを重視しており、マクロマネジメントのアプローチがより適しています。

マクロマネジメントを採用することで、よりエンゲージメントが高く、生産的で満足度の高い労働力を育成し、最終的にはより良いパフォーマンスとイノベーションを促進することが期待できるでしょう。

異なる世代の好みと反応を理解し、柔軟なアプローチを積極的に採用していくことが肝要です。

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