いずれはPRも受給対象!求職者の支援策「Skills Future Job Seeker」とは?

こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。

シンガポール独立59周年の祝祭後の演説にて、ローレンス・ウォン首相は人材育成のためのイニシアティブの一環として、「Skills Future Job Seeker (スキルズ・フューチャー・ジョブ・シーカー)」というスキームを発表しました。

失業者を経済的にサポートすることが主な狙いですが、長期的にはシンガポール国民が活き活きと働ける社会基盤の醸成を見据えているものとして、注目を集めています。

今回はその「Skills Future Job Seeker (スキルズ・フューチャー・ジョブ・シーカー)」についてご説明していきます。
 

【目次】
1. Skills Future Job Seekerの概要
2. SFJS、誰が対象者?
3. スキル向上支援策、続々
4. 最後に


1.  Skills Future Job Seekerの概要   

Skills Future Job Seeker(スキルズ・フューチャー・ジョブ・シーカー。以下SFJSと記載)」は2025年4月から運用開始予定の、失業者を対象とした経済支援策です。

国民のスキル及びキャリア向上を目指す「Skills Future (スキルズ・フューチャー)」のプログラムの一環として始まる、新たな仕組みです。

人材開発省傘下の人材育成機関Workforce Singapore (ワークフォース・シンガポール)を通じて、失業者に6ヶ月間で最大6,000シンガポールドル(以降、SGDと記載)を支給します。

経済の変化が加速する世の中にあって、会社都合での退職を余儀なくされた求職者が対象となります。

彼/彼女たちが経済的な理由での焦りからミスマッチな仕事・職場に就いてしまう事態を防ぎ、よりスキルや経験を活かした形での再就職を促進する狙いがあります。


2.  SFJS、誰が対象者?

SFJSスキームの対象者になるには細かな条件があります。

・21歳以上のシンガポール国民
・SFJSスキーㇺ申請前の12ヶ月の間で6ヶ月以上、雇用されていた記録があること
・申請前12ヶ月間において、月給が平均5,000SGD以下であること
・再雇用、事業停止、病気・怪我・事故による解雇など、不本意な失業をしていること

これらに加えて、「求職活動や、関連活動に参加していること(例:求人案件への応募、キャリアコーチングやキャリアワークショップ、適格訓練コースへの参加など)」といった再就職への積極性も受給対象基準となります。

これら条件の詳細は2025年4月に追加発表されます。
 

この制度の対象は、政府の見積もりでは年間約60,000人になるそうで、非自発的失業者の60%以上を占めるのだとか。
 

申請が通れば1ヶ月目に1,500SGD、2ヶ月目には1,250SGD、3ヶ月目1,000SGD、4~6ヶ月目にはそれぞれ750SGDが支給されます。

再就職が決まった時点で支援金の支給は停止され、その先3年間は再申請が不可となります。

2025年4月の運用開始時点ではシンガポール国民のみを対象と記していますが、2026年前半には永住権(PR)保持者も対象として拡大予定です。


3. スキル向上支援策、続々

SFJSはあくまで再就職のための家計支援策であり社会扶助制度ではないため、生活保護に代わるものではありません。

再就職を支援する取り組みも、今後どんどん強化されます。
 

例えば40歳以上の国民を対象としたアップスキル・リスキルの為の「Skills Future Level Up Programme (スキルズ・フューチャー・レベルアップ・プログラム)」では4,000SGDのクレジットが上乗せされ、研修受講料の自己負担が更に軽減されます。

求職者の中には、再就職前に学習に励んだり、スキルアップを希望したりする人もいます。

Skills Future Level-Up Programmeに基づくフルタイムの長期訓練プログラム、またはWorkForce Singaporeの企業派遣プログラムに登録した人は、SFJSの給付金支給に加えて、訓練手当を受け取ることもできる複合的なサポートの仕組みも確立されています。

他にも、フルタイムで研修を受ける国民に対し、1ヶ月あたり最大3,000SGDの研修費を政府が負担する仕組みもあり、充実具合から政府の本気度が窺えます(パートタイムで働きながら研修を受ける人にも助成金の支給アリ)。

詳しくはSkills Futureウェブサイト、「Initiatives (イニシアティブ)」欄をご覧いただくことをお勧めします。

 

4. 最後に

このようにシンガポールは、労働市場における国民のスキル向上、生涯学習を国家をあげて促進しています。

これは個人への救済でありながら、国という観点で見た時にも、産業構造の変化に対応した人材の育成、より加速するデジタル社会への適用、またサステナブルな社会の維持という大きなメリットがあると言えます。

社会や経済の動きにいち早く応じた政策を推進するシンガポール。

今後もその様子をお届けしてまいります。

 

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