どうなる2025年? 未来を読み解く10のキーワード
こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。
2024年最後の日本語リーラコーエンブログとなりました。
弊社ブログに触れてくださった一人ひとりに心より感謝を申し上げます。
今回のブログは前回のブログ - 一年の出来事を振り返る 2024年アジアのハイライト10選に続きまして、2025年の備えに関する内容をお送りします。
以下に挙げる10のトレンド / キーワードをもとに、2025年のアジア経済がどのようなものとなるか、また私たちにはどういった準備が必要なのか、企業 / 個人の両サイドからお伝えしてまいります。
既に年末の休暇に入られた方もおいでのことかと思いますが、未来を考える上でその参考としていただければ幸いです。
アジア経済2025年への備え
1. AI統合の導入
企業:採用、顧客エンゲージメント、業務効率化のためのAIツールへの投資機会が増えるでしょう。AI主導での洞察は、サプライチェーンの最適化、顧客体験のパーソナライズ、意思決定の場面において有効です。統計プラットフォームのStatistaによると、世界のAI市場は2025年までに2千億米ドルに達すると予測されています
個人:機械学習、データ分析、AI倫理などの関連分野でスキルアップを図り、これらのテクノロジーへの依存度が高まる業界で個人として競争力を維持したいところです
2. ESGイニシアティブの強化
企業:持続可能な慣例を採用し、またレポートラインなどにおいて透明性の高さを保つことで、経済的目標と社会・環境的目標を一致させる持続可能な企業活動を目指します。強固なESGフレームワークを有する企業は、より多くの投資家や顧客を惹きつけることに繋がります
個人:持続可能性と環境管理のスキルを活用しましょう。グリーンテクノロジー、再生可能エネルギー、ESGコンプライアンスに関連する職業も増加傾向です
3. 強靭なサプライチェーンの構築
企業:ベトナムやフィリピンなどの新興市場に調達・製造拠点を多角化する動きが加速。ASEAN地域貿易協定は2025年に25%増加するとの見込みで、国境を越えた協力が容易になります
個人:サプライチェーンの混乱に対処するための適応力と問題解決に重点を置き、サプライチェーン・マネジメントとロジスティクスのスキルも有用となります
4. 貿易政策の改変への備え
企業:アメリカ新政権の通商政策に関する情報は常にアップデートしておくことが肝要です。輸出市場を多様化して、関税の変動から受ける影響を緩和することもひとつの手段です
個人:国際貿易と交渉の専門知識を身につけたり、グローバルな貿易力学を理解したりすることで、多国籍企業でのキャリアの機会を創出することができます
5. デジタル・トランスフォーメーションの活用
企業:ブロックチェーン、クラウド・コンピューティング、IoTなどの新たなテクノロジーを採用し、業務の合理化と顧客体験の向上を図ります
個人:デジタルツールやプラットフォームのスキルを向上させましょう。サイバー・セキュリティ、クラウド技術、デジタル・マーケティングなどの分野の資格を取得することで、新たな役割への扉が開くかもしれません
6. 社員のウェル・ビーイングを優先する
企業: 優秀な人材を確保するために、柔軟な福利厚生、メンタルヘルスサポート、在宅勤務導入などを提供しましょう。経営学の権威『Harvard Business Review』には、ウェルビーイングを重視する企業は、生産性が25%高いという報告もあります
個人: 個人のワークライフバランスを守り、メンタルヘルスを優先させます。ストレスマネジメントのスキルは、仕事での生産性向上にも繋がります
7. 従業員のスキルアップと再教育
企業: 教育機関や教育関連会社と提携し、AI、データ分析、プロジェクト管理など需要の高い分野の従業員に継続的なトレーニングを提供しましょう
個人: シンガポールには「Skills Future」、ベトナムで言えば「キャリア転換プログラム」など各国、国民向けにスキル取得支援プログラムが存在します。外国人であれば自身でスキルアップなどに取り組み、高成長産業への転換を図れます
8. 地域間連携の拡大
企業: ASEANの経済統合を活用して事業を拡大し、より広範な市場への参入を検討したいところです
個人: 近隣諸国の言語や資格の取得を通じて、地域における専門性を高めましょう。異文化コミュニケーションのスキルは労働市場において重宝されます
9. 消費者の嗜好の把握
企業: アジアのeコマース市場は、環境意識の高い消費者に牽引され、2025年には更に20%成長すると予測されています。eコマース・プラットフォームと持続可能な製品への投資を続けましょう
個人: 変化する消費者の期待に応えるため、オンライン販売、カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント、サステナビリティのスキルを身につけましょう
10. 来る危機への備え
企業: 潜在的なサイバー攻撃や地政学的緊張に対処するため、定期的な監査とリスク評価の実施が求められます
個人: 緊急時に備えて、適応力や迅速な意思決定などの危機管理スキルを身につけておくことです
最後に
2024年に起きたビジネストレンドや変革は、2025年の大きなチャンスと課題にも繋がります。
イノベーション、持続可能性、継続的な学習を取り入れることで、アジアに根を張る私たち、企業 / 個人も、進化する状況の中で自身を変革していくことが求められています。
我々リーラコーエンも引き続き、ビジネスや働く個人の成功に必要な情報などをお届けしてまいります。
今年も一年、大変お世話になりました。
来年も変わらぬご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。
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