【要注目】今後需要が拡大するスキル71選が発表
こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。
不明瞭な状態が続く国際経済にあって、労働者のリスキリングやアップスキリングに注力するシンガポール。
弊社ブログでも同テーマについて複数回にわたって取り上げております。
先の2025年1月、シンガポールの生涯学習支援機関であるSkills Future Singapore (SSG)より、「未来の経済に向けたスキルの需要レポート (Skills Demand for the Future Economy Report)」が発表されました。
報告書には、成長経済における優先的なスキルや需要拡大する職務、またシンガポールで働く人々がスキル開発やキャリア形成の計画を立てる際の知見などが盛り込まれています。
今回のブログでは、同レポートの中身、特にどのようなスキルが今後需要拡大するのか、という点についてご紹介してまいります。
【目次】
1. 高需要スキル調査の概要
2. 常に高い需要があり、転用性も高いスキル71選
3. 需要拡大が今後見込まれそうなスキル
4. 最後に
1. 高需要スキル調査の概要
今回の調査は2022年~2024年の間にシンガポール国内で流通した求人票データを対象に、グリーン経済、デジタル経済、ケア経済 (介護 / 育児などのケアワーク領域の経済活動) といった成長経済の分野におけるスキルの需要の変化を追跡したものです。
スキルの持つ「絶対需要 (そのスキルを必要とする求人広告の数)」と「転移性 (業界の枠を超えても応用しやすいスキル、またその可能性)」に注目し、現在と今後で需要が拡大しそうなスキルを特定しています。
今回の調査によって71のスキルが「一貫して需要が高く、移行性が高く、この傾向が2025年も続く」と定義され、37のスキルが「2024年に中程度から高い移行性に移行したもの (この傾向が2025年も続く)」。34のスキルが「2025年には高い移行性が見込まれる」と診断されています。
2. 常に高い需要があり、転用性も高いスキル71選
それでは、どのようなスキルが今最も求められているのか、見ていきましょう。
先述した各成長経済ごとに分類して挙げると、デジタル経済が40と突出して多く、ケア経済は19、グリーン経済は12のスキルが列挙されています。
デジタル経済領域 (40スキル)
1 アジャイルソフトウェア開発
2 アプリケーション開発
3 アプリケーションのサポート・強化
4 オートメーションの設計
5 ビジネス・ニーズ分析
6 顧客経験の管理
7 データ分析
8 データおよび情報管理
9 データと統計分析
10 データ収集と管理
11 データエンジニアリング
12 データ管理
13 データベース管理
14 デザインの作成と開発
15 財務分析
16 情報収集・分析
17 情報技術アプリケーション・サポートおよび監視
18 インフラサポート
19 ITの標準的なスキル
20 市場調査
21 市場専門化
22 市場動向分析
23 問題管理
24 プロセス改善と最適化
25 製品開発
26 製品管理
27 プログラミング、及びコーディング
28 定量研究
29 収益の最適化
30 販売動向と機会の分析
31 セキュリティ管理
32 ソフトウェア設計
33 ソフトウェア・テスト
34 ソリューション
35 サプライチェーン・ソリューション
36 システム設計
37 テクニカル・セールス・サポート
38 テクノロジー・アプリケーション
39 テストプランニング
40 ツール開発
ケア経済領域 (19スキル)
1 監査マネジメント
2 ビジネスチャンス開拓
3 コーチングとメンタリング
4 データ分析
5 データと統計分析
6 データ収集と管理
7 データ管理
8 効果的な顧客コミュニケーション
9 財務管理
10 専門職間での協力
11 学習と能力開発
12 業績管理
13 業績測定管理
14 実務監督
15 専門家コンサルテーション
16 サービス品質管理
17 スタッフ研修ファシリテーション
18 スタッフ研修管理
19 職場コミュニケーション
グリーン経済領域 (12スキル)
1 炭素市場と脱炭素戦略マネジメント
2 保守性のための設計
3 環境持続可能性の管理
4 高圧直流システムの運用と保守
5 海底エンジニアリング・マネジメント
6 持続可能性マネジメント
7 サステイナビリティ・スチュワードシップの開発
8 持続可能なエンジニアリング
9 ユーティリティ・マネジメント
10 廃棄物の収集管理
11 廃棄物の処理管理
12 廃棄物取り扱いの管理
それぞれ業界は異なりますが、傾向としては「データ分析・管理」「財務分析・管理」「製品や能力の開発」といった分野のスキルは多くの業界で高需要で求められ、また応用可能であると言えるのではないでしょうか。
3. 需要拡大が今後見込まれそうなスキル
上の71のスキルに加え、37のスキルが「2024年に、需要が中レベルから高レベルに移行したもの (この傾向が2025年も続く)」、34のスキルが「2025年には高レベルへの移行性が見込まれる」との見通しです。
こちらもかいつまんでご紹介すると、以下のスキルが該当しています。
デジタル経済領域 (37スキル)
ビジネス要件マッピング、流通管理の自動化、マクロ経済分析、市場評価
ケア経済領域 (11スキル)
対立マネジメント、継続的改善マネジメント、人事アドバイザリー、ボランティアの採用
グリーン経済領域 (2スキル)
エネルギー取引ポートフォリオの最適化、サステナビリティ保証
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また、「2025年中に高需要になる可能性がある」に診断された34のスキルとしては、
デジタル経済領域 (24スキル)
計算モデリング、SNSマーケティング、災害復旧管理、ITガバナンス
ケア経済領域 (7スキル)
子どもの安全と保護、従業員関係管理
グリーン経済領域 (3スキル)
エネルギー管理と監査、環境マネジメントシステムのフレームワークの構築と実施
などが挙げられました。
ここに挙げられたスキルは意図的に取得するものもあれば、業務の中で自然に身につくようなものも入っています。
ご自身にはどのようなスキルが備わっているのか、「キャリアの棚卸し」のように一度考えてみるのも面白いかもしれません。
今回ノミネートされた高需要スキル、一覧はコチラ
4. 最後に
今回の調査結果発表に併せて、SSGから業務スキルなどのデータや洞察情報を提供するポータルサイトも発表されました。
ここでは、仕事やスキルに関する有識者のレポートを読んだり、業界・会社・職種・スキルなど項目で絞って需要やその変遷などのデータを閲覧できたりする機能も備えており、労働市場について理解するのに最適なツールとなっています。
「スキル・ファースト」の考え方で労働市場をとらえるシンガポール。
今後もその取り組みについて、アップデートしてまいります。
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