従業員が最も望むのはスキル向上休暇?デジタル化への意識調査結果について
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
先日弊社では、楽天グローバル・インサイト様とともにシンガポールで働く様々な年代を対象に意識調査を行いました。
その内容は、ズバリ「昨今急速に加速するデジタル化の意味を知っていますか?そしてそれに順応する準備ができていますか?」というもの。
シンガポール発アジア最大級のメディア「Channel News Asia」の人気ラジオ局、「CNA938」を始めとした多数の媒体へ取り上げていただきました。
今回は、本調査結果について詳しくお伝えいたします。
【目次】
1.調査対象と目的
2.そもそも、「デジタル化」とは?
3.意識調査の結果
4.まとめ
5.最後に
1.調査対象と目的
本調査はとりわけ新型コロナウイルスの流行がシンガポールで働く従業員に与えた影響、そして今や世界中で行われている急速なデジタル変革へ一人ひとりが適応できているかを調査するという目的で行われました。
リモートワークといったそもそもの働き方の変化やAI技術の台頭などにより、企業はデジタル化への取り組みを加速せざるを得なくなった昨今。
実際にシンガポールで働く様々な世代が、生活や仕事で起こっている大きな変化を受け入れる体制が出来ているか、といった内容に焦点を当てています。
調査の対象となったのは、Z世代(18-25歳)、ミレニアル世代(26-41歳)、X・ベビーブーム世代(42‐68歳)といった3つの年齢層に加え、フルタイム・パートタイムといった労働条件も加味した308名です。
実際に異なる条件の様々な世代からデジタル化に対する反応・回答を得ることで、現状に対する企業と従業員の意識のギャップを埋め、シンガポールにおけるデジタル化のスムーズな施行のための参考情報として、各企業に役立てていただくために実施されました。
2.そもそも、「デジタル化」とは?
ここで一度デジタル化についておさらいをしましょう。
そもそも「デジタル化」とは、これまでアナログで進めていた業務をデジタル技術の活用により効率化したり、それによる新たなビジネスモデルを創ることを指します。
例えば従来の紙で取引が行われていた契約書をペーパーレスにしたり、ワークフローシステムの活用をしたり。
さらにはスマートフォンでの銀行口座へのアクセス・取引、リモートワークで一般的になったオンラインミーティングツールなどもデジタル化に含まれます。
また、実際にこのような動きを推進していくことを「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と呼びます。
新型コロナウイルスの流行を経て、この数年間でさらにその動きは加速しており、企業も対応を迫られています。
3.意識調査の結果
それでは実際に今回の調査結果を見ていきましょう。
3-1.「デジタル化」という言葉を知っていますか?
まず一つめの質問である「デジタル化という言葉を知っているか」について。
なんとフルタイムで働く回答者で57%、パートタイムで働く回答者の73%は「知らない」という驚きの結果となりました。
デジタル化という言葉自体を知っている人はいずれも半数を下回りました。
3-2.デジタル化への準備は出来ていますか?
次に、準備状況についてです。
フルタイムで働く回答者の半数以上は「準備ができている」と回答しました。
一方で、パートタイムで働く回答者で「準備ができている」と回答したのは44%半数以下にとどまるという結果になりました。
3-3.あなたが勤める会社はデジタル化への準備ができていると感じますか?
フルタイム、パートタイムで働く回答者ともに「出来ている」と回答した人が半数を上回りました。
3-4.あなたの会社はご自身のスキル向上に対して充分なサポートをしていますか?
フルタイム・パートタイムの回答者ともに半数以上が会社からサポートを受けられていると回答しました。
一方で、パートタイムの回答者のほうが若干数スキルアップに関して会社からサポートを受けていないと感じているという結果となりました。
なお、フルタイムで働く人、パートタイムで働く人ともに、勤務先に対して最も望んでいるのは「スキルアップのための休暇」でした。
次いで「社外研修」、「奨学金」の順でした。
この結果からも、シンガポールで働く人の多くは自身のスキルアップといった向上心が高く、そのような行動に重きを置いていることが分かります。
3-5.自身のスキル向上のために、どのようなプラットフォームを利用していますか?
こちらはフルタイムとパートタイム回答者ともにシンガポール政府が提供する「Skillsfuture」が最も多い結果でした。
次に「Workforce SG」、「Udemy」と続きました。
やはりシンガポール政府が提供するプラットフォームの活用をする回答者が最も多いという結果となりました。
4.まとめ
今回の結果から、フルタイム・パートタイムそれぞれに意識の差が垣間見られつつも、デジタル化に対する意識と現実にはギャップがあることが分かりました。
例えば、デジタル化に関連するAI、IT、ICT、Fintech、ChatGPTなどといったキーワードは聞いたことがあったり使ったりしていても、実際の意味についてはまだ知識が追いついていないというケースが考えられます。
このようなことから、企業は、まずは自社の従業員にデジタル化という概念に慣れ親しんでもらう環境づくりが大切なのではないでしょうか。
よりデジタル化を身近なものに感じさせることができ、デジタル化という現象を一人ひとりがより現実的なものとして捉えられるようになるかもしれません。
また、本調査を通して、多くのパートタイム人材が学習やスキルアップに意欲的である一方で、フルタイムの回答者と比較してスキル向上のための企業サポートが十分でないと感じていることが分かりました。
これまで、パートタイム人材というと、一時的な人材不足を救済するスポット活用としての捉え方がされてきた一方で、コロナ禍を経て多様な働き方が一般的となった今、従来のオフィスワークが叶わなかった人材もどんどん活躍の場が広がっています。
また、特定のビジネスにおいて必要とされる専門的なスキルを持つ人材を、自社ニーズに合わせて積極的にパートタイムで活用する企業も増えています。
今後、こうしたパートタイム人材も、フルタイム人材と同様にスキル向上サポートやフォローに力を入れ、積極的な活用を推進していくことで人材の確保の幅が広がるかもしれません。
5.最後に
今回は、先日弊社が楽天グローバル・インサイト様と行ったシンガポールのデジタル化に関する意識調査結果について、詳しくお届けしました。
今もなお目まぐるしく進化する職場環境と私たちの生活。
変化の激しい時代を生き抜くための強さ、そして自身も進化し続けるという意識が大切だと私自身も痛感した結果となりました。
なお、本調査結果の更に詳しい内容はこちらよりご覧いただけます。ぜひご覧くださいませ。
▼今回の調査結果について、全世界の最新HRトレンドやニュースを取り扱うメディア「HRD Asia」にも取り上げられました!
記事全文はこちら
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