シンガポール新卒生の初任給推移と2022年予測給与額について
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールの平林です。
新卒採用シリーズの第4弾もご覧頂き誠にありがとうございます。
第1回、第2回、第3回の記事では、新卒採用の理由と利点、および卒業と就職活動のタイムラインについて説明いたしました。
【過去の記事についてはこちら】
ポストパンデミックにおける人材確保の鍵:新卒採用について
新卒採用で魅力的な人材を採用するためのヒント
シンガポール新卒生の就活に迫る!卒業から入社タイミングについて
シリーズ第4弾となる今回は、シンガポールにおけるローカル大学(NUS、NTU、SMU、SUSS、SIT、SUTD)を卒業した新卒生がMOMへ報告したデータに基づいた初任給の推移および今年の卒業生の予測給与額についてご紹介いたします。
【目次】
1. 新卒生の初任給推移とその理由(2016ー2021)
2. 今年度(2022年)卒の新卒生の初任給予想について
3. 最後に
1.新卒生の初任給推移とその理由(2016ー2021)
まずは過去6年間における推移をご紹介いたします。
以下の表は大学の専攻学科別に平均初任給の変化を示しております。
本データは毎年発行されるGES調査データに基づいており、今年(2022年)に就職した卒業生に関しては、2023年2月に発表される給与データに含まれます。
Year of graduated | ||||||||
Types of degree | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 5 Years difference | Annualised change Y-o-Y |
Health Sciences | $3,375 | $3,450 | $3,489 | $3,500 | $3,500 | $3,550 | $175 | 1.02% |
Built Environment | $3,300 | $3,200 | $3,400 | $3,500 | $3,500 | $3,600 | $300 | 1.76% |
Business | $3,200 | $3,200 | $3,450 | $3,500 | $3,500 | $3,550 | $350 | 2.10% |
Humanities & Social Sciences | $3,300 | $3,300 | $3,400 | $3,500 | $3,500 | $3,700 | $400 | 2.31% |
Sciences | $3,200 | $3,250 | $3,390 | $3,500 | $3,500 | $3,700 | $500 | 2.95% |
Engineering | $3,400 | $3,500 | $3,600 | $3,750 | $3,900 | $3,950 | $550 | 3.04% |
Arts, Design & Media | $2,800 | $2,950 | $3,000 | $3,200 | $3,300 | $3,500 | $700 | 4.56% |
Information & Digital Technologies | $3,800 | $4,000 | $4,100 | $4,400 | $4,760 | $4,950 | $1,150 | 5.43% |
Average | $3,300 | $3,350 | $3,500 | $3,600 | $3,700 | $3,800 | $500 | 2.86% |
2016年データを見ると、初任給のレンジは2,800ドルから3,800ドルとなり、芸術、デザイン、メディアなどの文系学科と情報、デジタルテクノロジーなどの理系学科では約1,000ドルほどの差異が発生しております。
しかしながら、6年間の推移を見ていくと、芸術、デザイン、メディアが700ドル、約25%増の結果が見られ、情報、デジタルテクノロジーに次いで2番目に高い初任給の伸び率が確認できます。
初任給の変化を見ることで、その時代に応じた必要なスキルに対する需要の変化を汲み取ることができると言えるでしょう。
また、シンガポールではITおよびデジタルインフラへの継続的な投資が行われています。企業が独自でYouTubeやSNSツールを通じたデジタルプレゼンスを持つ必要が出てきたため、それに関する学科の初任給は今後数年でさらに増加することが見込まれます。
また注目すべき消費者物価指数ですが、2016年3月から2022年3月までの合計が2.82%となり、年率0.5%と意外にも低い水準にとどまっております。
そのため、シンガポールの上がり続ける物価と比べても、すべての学科における初任給は実質増加傾向にあることがわかります。
2.今年度(2022年)卒の新卒生の初任給予想について
それでは、気になる今年度2022年の卒業生の推定初任給を見ていきましょう。
Low estimate値:過去5年間の年間増加率に基づいて算出
Mid estimate値:Low estimate値+5.4%消費者物価指数を足した値
High estimate値:Mid estimate値 + 需要の増加する特定の学位に一致する職種の増加値
2022年の卒業生に関しては、潜在的な不況、世界的な紛争および金利の上昇などによる要因により、2021年卒業生の初任給のように大きく変化しない可能性があります。
一方で、世界的な経済不安はアジアのビジネスハブとしてのシンガポールの安全性を高める側面もあり、シンガポールへの外資企業の移転、新規進出の増加といったプラスの影響を与える可能性があります。
現時点では上記グラフの様な値が予測されており、情報、デジタルテクノロジー学科卒は新卒ですでに5,000ドル後半になりえるかもしれません。
しかしながら、卒業校や学科、就職する企業規模やポジションにより大きく異なりますので、参考値程度にご参照いただけますと幸いです。
また時期が近づいて参りましたら、実際の統計データも掲載も予定しております。
3.最後に
今回はシンガポールにおける新卒生の初任給の推移と今年の卒業生の予測給与額についてご紹介いたしました。
上記データからも分かる通り、物価の上昇以上に新卒生の初任給が上がっており、当然既卒生や中途採用の給与も6年前とは比べものにならない程上昇傾向にあります。
今年、来年と外国人の就労ビザ申請の基準の厳格化は周知のことかと思いますが、優秀なローカル人材を採用する際にも同等に近い待遇が必要となってきているのかもしれません。
シンガポールではもはや、ローカル人材を低賃金で大量に雇用するという一時の他東南アジア地域における採用戦略は通用せず、優秀な人材には国籍を問わずに適正の待遇を用意する時代がきているということを私自身も再認識させられました。
新卒生の採用に関する記事は継続して掲載予定となりますので、次回も楽しみにしていただけますと幸いです。
また、新卒、中途採用におけるご相談は弊社までお気軽にご連絡くださいませ。
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