【シンガポール就労ビザ】DP保持者のWP申請マニュアル(2022年4月時点)
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールの平林です。
2021年5月以降LOCの新規申請、更新が不可能となり、多くの企業様やDP保持者の方が不安に感じられたかと思います。
しかし、その代替案として「DP保持者の方に限り国籍を問わずしてWP(ワークパーミット)の申請が可能」となりました。
WPはDPを保持しながら取得できる就労ビザで、以前のLOCと同様にシンガポールでの就労が可能です。(申請にはWP枠が必要です)
WPは申請から承認までのスピードが早く、最低給与の規定がないためパートタイムでのご就労にも適したパスです。
しかしながら、いまだWPの申請や就労自体が多く知られていないのも事実です。
そこで今回はDP保持者の方のWP申請方法についてブログにまとめました。今後WP申請をお考えの方のお役に立てば幸いです。
目次:
1. 申請前にするべきこと
2. 申請に必要なデータ
3. WP申請手続き、申請費用
4. 仮承認(IPAレター)取得後
5. WP発行
6. MOM訪問、カード登録
1. 申請前にするべきこと
まず第1にWP申請枠の確認が必要となります。
そもそも企業側に枠がない(=十分なローカル人材の雇用がない)と、WPは申請自体が不可能ですのでご注意ください。
WP枠はWork Permit (WP) Online (WPOL) より確認することが可能です。
企業アカウントのSingpassでログイン頂き、左側にあるWPOL Menuの下の方にある「Enquire」の「Employer Details and Quota」を押下します。
「Overall Quota Balance」に記載されている数字が申請可能な枠数を示しています。
近年気になるビザ申請の際のMyCareersFutureへの求人掲載ですが、WPは対象外となりますので掲載の必要はありません。
ただし、こちらは2022年4月現時点での情報であるのと、シンガポール政府は引き続きローカルの優先雇用を推奨しておりますので、もし可能であればMCFへの掲載も同時に進められると良いかと思います。
2. 申請に必要なデータ
WP枠があることを確認した後は申請に必要なデータを揃えていきましょう。
必要データは以下の通りです。
- パスポート情報
- DPカード情報(FIN番号、有効期限)
- 配偶者の就労ビザ情報(FIN番号、就労ビザのタイプ)
基本的にWP申請時はデータをアップロードする箇所はなく、情報のみお手元にあれば申請は可能です。(発行時にパスポートデータのアップロードは必要です)
また、気を付けたいのが、WPの有効期限はパスポートもしくはDPいずれか有効期限の短い方に紐づきますので、申請の際には予めご確認ください。
その他、申請の際にはEP同様に最終学歴や雇用条件(就労時間や日数、給与)が必要となりますので、履歴書と雇用契約書もご準備頂くと申請がスムーズかと思います。
3. WP申請手続き、申請費用
では実際の申請手続きを見ていきましょう。
WPはEP、Sパスと異なり Work Permit (WP) Online (WPOL)から申請を行います。
企業アカウントのSingpassでログインし、WPOL Menuの上部にある「Apply」タブの「Foreign Worker (Non-Malaysian)」を押下します。
主な申請内容と注意点は以下の通りです。
国籍情報:
General InfoとFD Detailsの両項目にあります。
プルダウン選択形式となるのですが、最初の選択肢にJapaneseがないため「Other」を選択後に別画面から「JAPANESE」を選択します。
ビザ情報:
General Info項目に「Type of Endorsement Issued By The Singapore Immigration or Indicated in the Travel Document」という質問があります。
DP保持者の場合は必ず「5-DEPENDENT PASS」を選択してください。
職種:
多くのご質問が寄せられるのがこちらの職種項目です。
Occupation Codeは企業の登録状況によって選択項目が異なりますので、必ずしもご希望の職種があるとは限りません。
もしない場合は、近しいポジション名をご選択いただければと思います。
配偶者情報:
配偶者のビザ情報(種類)とFIN番号の入力が必要となります。
Sパスに帯同するDPの方も、WP申請は可能です。
Employment Agent(EA)の利用有無:
WP申請対象者を採用する際にEA(人材紹介会社)を利用した場合は、EAライセンス番号をご記入ください。
WP対象者側にエージェント料の支払い義務があるかどうかの質問もあり、通常の人材紹介であれば個人側へのエージェント料は発生しないため「No」をご選択ください。
最終学歴:
最終学歴の選択項目内に「Degree」という選択肢はありません。
大学卒業以上の場合は「Tertiary」もしくは「Diploma」をご選択ください。
給与と就業形態:
月額給与の他にFixed AllowanceやHouse Allowanceを申請する欄がありますので、こちらがない場合は「0」をご入力ください。
また通常のビザ申請とは異なり、週の就業日数と勤務時間を入力する欄があります。
パートタイムや時短勤務の場合は、雇用契約書に基づいて申請を進めてください。
上記の必須項目を入力後、申請料35ドルを支払って申請完了となります。(GIROもしくはVisa/Master Cardのみ可)
申請完了のメール連絡はないため、念のため申請完了画面を保存しておくと良いかと思います。
4. 仮承認(IPAレター)取得後
WPは申請から仮承認(IPAレター取得)まで1週間とされているのですが、実際は1~2日で降りるケースがほとんどです。
承認連絡はメールで参りますので、再度WPOLにログインして「Check Status - Work Permit Application」からIPAレターのダウンロードを行います。
WP申請対象者、企業担当者、EA担当者(人材紹介会社を利用した場合のみ必要)の署名をして、IPA書類は完了です。
5. WP発行
上記IPAレターへの署名以外にも、WP発行の前に必要な手順がいくつかあります。
通常のビザ発行時とは異なりますので、以下の通り見ていきましょう。
WP対象者の住所、電話番号の登録:
Online Foreign Worker Address Service(OFWAS)にログインし、シンガポールの住所と電話番号の登録が必要となります。
登録住所や電話番号を変更する際もこちらからのアップデートが可能です。
医療保険の購入:
WP1名につき、年間15,000ドル以上の保証がある医療保険の購入が必要となります。(入院と日帰り手術のカバー)
WP発行時に保険のポリシー番号が必要ですので、予めご準備ください。
(既に上記金額をカバーしている保険カバーがある場合は、新規で購入する必要はありません。※参照)
また保険の開始日以前の発行はできませんので、発行日付と併せて保険の購入を検討されるとよろしいかと思います。
上記が整ったら、いよいよWPの発行です。
WPOLにログイン後「Issue」下の「Issue Work Permit」を押下し、WP番号(IPAレター左上部にある0から始まる番号)と申請日を入力してデータを抽出します。
カード郵送先の選択と受取人の登録が必要となりますので、受取人の氏名、電話番号、Eメールアドレス、NRIC/FIN番号を入力してください。
パスポートデータとIPAレターをアップロードし、WP発行料35ドルを支払うと発行完了です。
その際にNotification Letterが表示されますので、必ずPDFで保存してください。
Notification Letterの有効期限は発行から1か月となり、本レターを以て就労は可能です。
6. MOM訪問、カード登録
最後にカード登録のためにMOMへの訪問予約をこちらから取得します。
WP登録のMOMはDP登録時の住所とは異なりますのでご注意ください。
(WP登録時のMOM住所はこちらです:MOM Services Center, 1500 Bendemeer Road, Singapore 339946)
DPカード(原本)、パスポート(原本)、Notification Letter、Appointment Letterをプリントアウトの上、ご持参ください。
登録自体は10~30分程度で完了します。
WPカード配送については、現在コロナの影響により、登録から約1か月程かかるそうです。
カード配送状況につきましては、こちらから問い合わせ可能です。
最後に
今回はWP申請手順についてまとめてみました。
通常のビザ申請とは異なり、申請情報や対応ステップも多いため多少工数はかかるのですが、申請から承認までのスピードが早いのがポイントです。
またWP枠やLevyに関しての最新情報はMOMのウェブサイトを併せてご確認ください。
弊社では人材紹介だけでなく、MCF求人掲載代行ならびにビザ申請代行サービスも行っております。
WPも含めて煩雑なビザ申請手続きまでのトータルサポートを目指しておりますので、気になる方はお気軽にご連絡くださいませ。
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