こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

Job Application Formは採用活動において欠かせないツールの1つとして多くの企業様にご利用いただいています。

レジュメのフォーマットが多数混在する中、候補者情報を一貫したフォーマットで俯瞰することができ、

その後の選考に進むにあたって効率よく候補者の整理を行うことができる点がメリットの一つかと思います。

 

すでにご存知のとおり、TAFEPは一貫して一切の就職差別を禁止しており、候補者の特性ではなくスキルやポテンシャルのみに基づいた選考を行うよう定めています。

一方で昨今、このJob Application Formに差別的な質問が含まれているケースが見受けられるようです。

 

今回は、Job Application Formの作成時に注意すべきポイントについてお伝えいたします。

すでにご存知の方も多い内容かと思いますが、改めてご参考になりましたら幸いです。

 

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【目次】
1.TAFEPとTGFEPについて
2.Job Application Formで聞いてはいけない質問
3.例外として認められるケース
4.最後に
 

1.TAFEPとTGFEPについて

シンガポールには、TAFEP(The Tripartite Alliance for Fair and Progressive Employment Practices)という、

MOM(人材省)、シンガポール国家経営者連盟(SNEF)、全国労働組合会議（NTUC）の3団体からなる機関があります。

平等かつ公正な雇用の慣行および雇用機会の創出、そしてシンガポール人の雇用を守ることを推進する目的で2006年に結成されました。

 

平等かつ公正、というのは具体的にはどのようなことを言うのでしょうか。

例えば、TAFEPは書類選考や面接等の選考段階における、主に年齢、性別、国籍、宗教、婚姻関係等の特性による就職差別を禁止しています。

また、同時にProgressive Hiringと言われる、候補者のハード/ソフトスキル、ポテンシャルのみに基づいた選考を実施するよう定めています。

これらを項目ごとに分け、明確なルールとして具体化したものがTGFEP(Tripartite Guidelines on Fair Employment Practices)というガイドラインです。

採用活動におけるすべてのプロセスは、このガイドラインおよびTAFEPの規定に則り行う必要があります。
 

2.Job Application Formで聞いてはいけない質問

以上の背景を十分に理解し、Job Application Formにおいては今後業務上のニーズに直結する候補者のハード・ソフトスキル、または過去の職務経験のみに関する質問を記載します。

例えば、以下の項目については聞いてはいけません。

・年齢(生年月日やNRIC番号も不可)
・写真
・性別
・趣味、趣向
・人種
・宗教
・婚姻関係
・家族情報
・身体的障害
・メンタルヘルスの状態

 

なお、NRIC番号をJob Appication Formの段階で聞くのはPDPAの観点からもNGとなりますので注意が必要です。

雇用確定時またはその後のプロセスで必要になった場合にのみ、聞くことができます。

また、その他兵役期間などについても業務と関係のない場合はNGとなりますので注意しましょう。

 

上記の項目は、個人に関する最もデリケートな情報です。

これまでJob Application Formについては、違反の報告があった場合も罰金やワークパスの取り上げなどの対象にはなっていませんでした。

しかし、MOMは昨今、就職差別に関わる問題を深刻に捉えており、今後厳格な対応が取られる可能性があります。

また、このような質問が掲載されたJob Application Formを受け取った候補者が、差別されたと訴えるというケースも起こりえます。

 

3.例外として認められるケース

一方で、業務の特性上、先に確認しなければならない場合は理由や背景を明確に説明の上、質問することができます。

以下に具体例をご紹介します。

＜健康状態の確認＞
NG：既往歴を記入してください
OK: 10キロ程度の重い荷物を運ぶことが多い業務内容ですが、問題ありませんか？

＜宗教について＞
NG:宗教を記入してください
OK:主に豚肉(または牛肉)を取り扱う業務ですが、問題ありませんか？
 

4.最後に

今回は、Job Application Formを準備する際に留意すべき点について詳しくお届けしました。

フォーマットは各々に委ねられていますが、最も重要なポイントは候補者から偏見や差別的要素と捉えかねられない「特性」に関する質問は省き、

業務遂行に必要な「スキル」や「ポテンシャル」についての質問のみのシンプルな状態に統一することです。

実際、採用プロセスにおいては求人情報や面接時など、候補者とのタッチポイントが多岐に渡りご多忙を極める中、

Job Application Formまで定期的な管理が行き届いていないケースも多々あるかと思います。

今一度、この機会に使用しているJob Application Formの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

 

最新ルールや情報などはTAFEPのホームページも合わせてご確認ください。

推奨のフォーマットなどもダウンロードができます。

また、実際の記載方法や既存フォームにおける質問が適切かどうか知りたい、などご不明な点がございましたら弊社までお気軽にお問い合わせくださいませ。
 

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