【メディア掲載】 COMPASSに関する 弊社代表コメントの Lianhe Zaobao(聯合早報) 誌面掲載について
こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。
いよいよEP申請のための新フレームワーク、COMPASS制度が今週から始まります。
それに先立ち、今週、シンガポールで最も多くの発行部数と人気を誇る中国語新聞媒体である「Lianhe Zaobao(聯合早報)」社のトップニュースに、弊社の代表の内藤兼二のコメントが掲載されました。
記事内では、COMPASSの内容に触れながら、本制度の導入に合わせてシンガポール人材省(以降MOM)より発表された業界別給与ベンチマークについて、専門家の見解が寄せられています。
今回は、本記事の日本語翻訳版をお届けいたします。
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Lian He Zao Bao(聯合早報) 2023年8月28日より オリジナル記事はこちらから
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シンガポールの新システム「COMPASS」、9月より運用開始 人材省が現地PMETの給与ベンチマークを発表
給与ベンチマークは業種によって変動することがあり、年齢が上がるにつれて給与の格差は拡大する傾向にあります。
さらに、銀行、金融、保険、情報通信技術、専門サービスなどのセクターに従事するPMETの給与ベンチマークは、さらに大きく上昇しています。
今年9月1日以降、就労ビザ「エンプロイメント・パス(EP)」の申請にあたり、外国人候補者はCOMPASSという新たな評価基準を用いた審査を受けることになります。
この新制度においては、外国人候補者の給与が現地のPMET(専門職、管理職、経営幹部、技術者)の給与区分の上位3分の1に匹敵することが求められます。
これにより、様々な業界では、外国人従業員を雇用するための特定の給与基準が設けられるでしょう。
さらに、年齢が高い候補者については、より高い月額給与の支給が必要となります。
人事の専門家は「競争力のない給与基準を設定している企業は、外国人人材の獲得が今よりも困難となり、現地従業員の給与の引き上げを迫られる可能性がある」と注意を促しています。
MOMは、23歳から45歳までのローカルPMETの収入データをまとめ、22業種における65パーセンタイル台と90パーセンタイル台のランキングを作成し、「給与ベンチマークリスト」として発表しました。
このリストを見ると、 銀行、金融、保険、ICT、専門サービスにおけるPMETの給与水準は、より高い水準となっています。
例えば、情報通信技術業界の35歳のEP申請者は、9,252シンガポールドルの固定月収(基本給と固定手当の合計)を得ることで10ポイントを確保できます。
一方で、食品・飲料業界の同年齢の申請者が10ポイントを獲得するのに必要な固定月収は5,081ドルです。
MOMはLian He Zao Bao(聯合早報)の取材に対し、毎年3月に、同年9月からのEP申請に合わせて、給与のベンチマークが発表・更新されることを明らかにしました
COMPASSの枠組みでは、EPの応募は1. 給与、2.資格、3.多様性、4.地元雇用の4つのコア基準に基づいて評価がされます。
雇用主となる企業は、外国人雇用ビザの申請資格を得るために、少なくとも合計40ポイントを上回らなければなりません。
既存発給ビザにおける更新申請はも、来年2024年9月1日以降に同枠組みが適用されます。
さらには、新規EP申請者の最低資格給与は5,000シンガポールドルで、金融サービス部門の申請者は最低資格給与5,500シンガポールドルが必要であることも発表されています。
給与の要件は年齢とともに上昇します。
COMPASSでは、各基準は相乗的に作用します。
外国人雇用者の給与が現地のPMETの上位3分の1に満たない場合は、別の基準で高ポイントを獲得することにより補填することができます。
例えば、学位に相当する資格を有していれば10ポイント、MOMが認定する一流教育機関の卒業生であれば20ポイントが加算されます。
COMPASS承認のための合計基準値は40ポイントです。
シンガポール全国雇用主連盟 COMPASSは労働力計画における企業の信頼性を高めるとの見解
シンガポール全国雇用主連盟のギム・グアン・シム専務理事は、新たに導入されたCOMPASSが、企業の人員計画においてより明確で信頼性の高いものとなることを同取材で明らかにしました。
企業は、myMOMPortalのウェブサイトからアクセスできる「Workforce Insight Tool」を活用し、基本的な基準をより深く掘り下げることができます。
これには、項目の加点に貢献するPMETの国籍構成などの要因についての見解も含まれます。
さらに、PMETの給与ベンチマークが公表されたことで、ローカル従業員は外国人従業員が得ている報酬をより意識するようになるかもしれません。
このような透明性の向上は、企業への貢献度に合わせた従業員へ公平な給与の支給をするよう、各企業へ促すことになります。
「一方で、EP申請のために外国人従業員の給与を上げることは必須ではありません。
雇用主は、彼らのためにSパスを申請するという選択肢を検討することもできます。」同氏はEP以外の選択肢についても触れました。
Sパスは、主に高度な技能を有する熟練した中堅外国人技術者向けの就労ビザです。
Sパスの給与基準もまた、今年の9月から3,150ドルに引き上げられます。
人事コンサルティング会社CMIのゼネラル・マネージャーであるペン・リン・リン氏は、外国人PMETが必要な給与や資格基準を満たさない場合、シンガポールで困難に直面する可能性があると指摘しました。
彼女は、今年上半期に比べ、新規クライアント企業からの相談が減少していることを明らかにしました。
同社は現在既存顧客に注力しています。CMIは主に金融、貿易、サービス部門における企業と専門家にサービスを提供しています。
給与ベンチマークは、特定の産業において年齢と昇給の両面で広範な所得格差に寄与
給与ベンチマークによると、年間の給与格差は、現地のPMETの年齢が上がるにつれて拡大します。
例えば、金融・ファンドサービスの専門家は、45歳までに30,000ドルから40,000ドルの月給を得ることができますが、建設、製造、ケータリングサービスに従事する同年齢の個人は、10,000ドルまでしか給与が上がらない可能性があります。
COMPASSによると、外国人従業員が10ポイントを獲得するには、PMETの上位3分の1の給与基準に達する必要があります。
また、申請者がそもそもの資格を得るには、6つの基準すべてから少なくとも40ポイントを算出する必要があります。
PMETの給与は、業種によって異なるのは前述の通りです。
例えば23歳の新卒で銀行部門に就職した場合、月給はベンチマークに則り、65パーセンタイルまたは上位3分の1の6,486ドルです。
年収が上がれば、月給は17,705ドルになるかもしれません。
また、業界の上位10パーセントに入る高所得者であれば、月収は31,384ドルに達します。
逆に、食品・飲料部門の現地PMETの収入は、23歳で4,105ドル、45歳までに5,894ドルに増加する結果となっていますが、これは銀行業界の同業者より低いままです。
オープンな給与体系と効果的なコミュニケーションが、従業員と雇用主の双方にとって有益な結果を生む
人材紹介会社リーラコーエンの代表を努める内藤兼二氏は同取材に応じ、MOMの給与ベンチマークの発表は雇用者とローカル従業員へ多面的な影響を与える可能性があると指摘しました。
内藤氏は、給与ベンチマークの開示はポジティブな波及効果をもたらすと考えているそうです。
その背景に、今後企業は外国人従業員だけでなく、現地のローカル従業員にも競争力のある給与を提供する流れになる可能性があることを挙げました。
その結果として、業界全体の報酬水準が向上し、現地従業員の仕事に対する満足度が高まる可能性があるとしています。
実際に給与の比較を行う可能性のある従業員に対しては、企業は透明性を持って給与見直しの背景をよりオープンに説明すべきだとしました。
また、人材紹介会社ピープル・メンタリティーの創業者サム・ネオ氏は、雇用主は従業員のニーズやスキルレベルに合わせて給与を調整することが多く、その結果さまざまな報酬のパッケージが生まれていると指摘しています。
現地社員が自らを高める力をつける重要性を問う
金融や情報通信技術のような特定の業界においては、給与が高いことは決して驚くべきことではありません。
同氏もまた、MOMが発表したPMET給与ベンチマークを支持しています。
これは、企業がEP申請時に参考にするガイドラインを提供するだけでなく、待遇の改善を目指し画策する雇用主に対し、従業員のアップスキリングおよびリスキリングなどの自己強化に取り組むよう促しているとしています。
「給与はもはや秘密ではありません。最適な候補者を見極めるためには、雇用主と従業員の効果的なコミュニケーションが重要です。」同氏は加えました。
EPの申請に必要な処理時間については、MOMの広報担当者は決まった処理時間はないものの、通常は10営業日以内に申請者に通知されると明らかにしています。
Sパスとは異なり、EPには枠(クオータ)がなく、初めてEPを申請した候補者は2年間現地で働くことができ、別途条件をクリアすれば有効期間を最長3年まで延長することができます。
前年12月の時点で、現地EP保持者数は187,300人で、コロナウイルス流行開始前の2019年12月に記録された193,700人から減少しています。
(翻訳ここまで)
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