世界のユニークな中秋節をご紹介!
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
中国を発祥として毎年旧暦8月15日(2024年は9月17日)に行われる中秋節ですが、アジアの多くの国で毎年大切な文化行事として祝われています。
ここシンガポールでもムーンケーキ(月餅)やランタンなどをよく目にしますが、国や地域によってその慣習や中秋節に根付く伝説が異なります。
そこで今回は、中秋節が各地でどのように祝われているのかについて探ってみたいと思います。
【目次】
1.中国:中秋節のはじまり
2.韓国:秋夕(チュソク) 収穫を感謝する祝日
3.日本:お月見 月の美しさを愛でる日
4.ベトナム:テト・チュン・トゥー 子どもの祭り
5.台湾:伝統と現代を楽しむ祝日
6.カンボジア:ボン・オム・トゥック 水祭り
7.タイ:月に祈る 月祈祭
8.ミャンマー:タディニュット・フェスティバル
9.シンガポール:伝統のるつぼを味わえる中秋節
10.最後に
1. 中国:中秋節のはじまり
中国では中秋節は「中秋节(チョン・チュー・ジエ)」とも呼ばれ、月の女神である嫦娥(じょうが)の伝説が有名です。
彼女の夫であった射手の后羿(こうげい)が十個の太陽を射落とし地球を救った功績として不死の薬を手に入れた後、嫦娥はそれを飲み月に昇り、月の女神になったとか。
后羿との再会を願いながら月で過ごす彼女のおかげで、中秋節の月が特に明るく美しいとされるそう。
そんな美しい満月を愛でるために人々が集まり、一家団欒のひとときを過ごすというのが慣習です。
その際に皆で分け合って食べるムーンケーキは伝統的な蓮の実ペーストと塩漬け卵黄がたっぷり入っているものが多いのだとか。
また、街中ではランタンの展示、月参り、龍や獅子の舞などの特別なパフォーマンスがお祝いの雰囲気を盛り上げます。
その他にも、以下のような独自のお祭りがあります。
銭塘江(せんとうこう)の潮干狩り:
浙江省の杭州湾で毎年行われるユニークなイベントです。
銭塘江は世界最大級の潮流を持つ河川で、特に中秋節や春分の時期には大きな潮汐現象が発生します。
このとき、河口付近では海水が逆流し、壮大な潮の壁が川を遡上する様子が見られ、「銭塘潮」として知られています。
この時期に行われる潮干狩りの期間中は、地元の人々や観光客が集まり、川辺で貝やカニなどを手作業で捕獲します。
伝統的なお祭りとして人気を誇ります。
湖南省の野菜泥棒:
湖南省に根付くドン族の女性たちが中秋節に野菜を「盗む」という風習は、ユニークな文化的背景を持つ伝統です。
ここで言う「盗む」は実際の窃盗ではなく、遊び心のあるこの時期独特なものとして受け入れられています。
中秋節の時期、村の他の家や畑からこっそり野菜を取って、皆を驚かせるのが目的で、この野菜は後で村の宴会で使用され、村をあげて楽しむイベントの一つとして大切に継承されています。
2. 韓国:秋夕(チュソク) 収穫を感謝する祝日
韓国では、中秋節を「秋夕(チュソク)」として祝う慣習があります。
秋夕の期間は、家族が集まり、先祖の供養を行う3日間の祝日です。
韓国では、この期間中に「ソンピョン」と呼ばれる半月型のお餅を作り、家族や友人と分け合います。
ソンピョンには甘いゴマや豆の餡が詰められています。
伝統的な慣習としては、集まった人々で円を描きながら満月の下で歌う「カンガンスルレ」の踊りも行われます。
このほかには、以下のような慣習があります。
茶礼(チャレ):
家族が集まり、季節の食べ物を供え、先祖を敬うための茶の儀式を行います。
祭壇には、果物、餅、魚、肉などの伝統的な料理が並び、それぞれの配置には意味が込められています。
家族全員が祭壇の前で一礼し、茶を注ぎ、先祖に感謝と敬意を捧げます。
芸能人による祝賀:
この時期、K-POP歌手や俳優など、芸能人がファンへ自身のプラットフォームを通して祝賀メッセージを送り、伝統的な活動を一緒に楽しむこともよく見られます。
韓国では、秋夕は豊かな文化と伝統を大切にしながら、周囲の人々へ感謝の気持ちを表す特別な時期となっています。
3. 日本:お月見 月の美しさを愛でる日
日本でもこの時期に行われる「月見」。
その歴史は奈良時代にさかのぼります。
この時期の満月が最も美しいと言われるため、月を眺めながら家族で食卓を囲み、「月見団子」を食べるのが習わしです。
ウサギやお月見をモチーフにしたお菓子も多く販売されることが特徴ですね。
家には豊かな収穫を象徴し、邪気を払うという意味のススキを飾ることもあります。
月の美しさを愛で、豊作を願う伝統的な風習として親しまれています。
4. ベトナム:テト・チュン・トゥー 子どもの祭り
ベトナムでは、Tết Trung Thu(テト・チュン・トゥ)と呼ばれるお祭りを行います。
主に子どものお祭りとして祝われ、子どもたちが星や動物をかたどったカラフルなランタンを持ってパレードを行う光景を見ることができます。
この時期には、貧しい子どもたちへの寄付活動も盛んに行われるそうです。
また、ムーンケーキを人に配ったり、先祖に果物を供えたりもします。
元は不思議なガジュマルの木と一緒に月へ飛んでいってしまったという「クオイおじさんとガジュマルの木」という伝説に関連したものとされています。
他にも、 プロやアマチュアのグループによる獅子舞パフォーマンスが行われるなど、この時期の街中はとても華やかになります。
ムーンケーキも、ベトナムでは焼いたバイン・ヌオン(Banh Nuong)ともちもちとした食感のバイン・デオ(Banh Deo)という2種類が一般的です。
5. 台湾:伝統と現代を楽しむ祝日
台湾では中秋節は祝日です。
伝統的な中秋節を楽しむほか、家族連れで屋外でバーベキューをしたり、ムーンケーキをはじめ、先ほどの伝説の主人公である嫦娥が好きだったというザボン(文旦、ポメロなどと言われる柑橘類)を食べたりする多様な習慣があります。
食べ終わったザボンの皮では帽子を作り、子どもたちはそれを被ると幸運を授かるという言い伝えも。
6. カンボジア:ボン・オム・トゥック 水祭り
カンボジアでは、10月下旬から11月の3日間で、中秋節とともに祝う行事としてボン・オム・トゥック(Bon Om Touk)という祝祭があります。
これは「水祭り」とも呼ばれ、同国で最も盛大な伝統行事の一つです。
このお祭りは、雨季の終わりとトンレサップ川の水流の逆転を祝うもので、豊かな漁業と農作物の収穫を祈願する意味があるそうです。
このお祭りの最大の見どころは、首都プノンペンのトンレサップ川で行われるボートレースです。
全国各地から集まった選手たちが、伝統的なカラフルなボートで競い合います。
夜には川沿いで花火が打ち上げられ、光のパレードや伝統舞踊、音楽が楽しめるイベントが続きます。
また、果物や伝統料理である「アク・アンボック」を月に捧げます。
7. タイ:月に祈る 月祈祭
タイの中秋節では、先ほど台湾でもご紹介したザボンとムーンケーキを供える「月祈祭」と呼ばれるお祭りがあります。
伝説によると、この日は8人の仙人が月の宮殿を訪れ、幸運をもたらすとか。
仙人が観音に備えた桃を象徴する桃の形をしたケーキを食べ、幸せを祈る慣習があります。
8. ミャンマー:タディニュット・フェスティバル
ミャンマーでは、この時期に中秋節とは少し異なる「タディニュット祭(Thadingyut Festival)」が重なります。
これは別名「光の祭り」と呼ばれ、仏陀が天界から地上へ戻ったことを祝うものだそう。
人々は家々や寺院を灯籠やキャンドルで美しく飾り、仏教の教えへの感謝と敬意を表します。
この期間中、信者たちは寺院を訪れて礼拝を行い、僧侶や年長者に食べ物や衣服を寄付することで徳を積みます。
また、町や村ではパレードや伝統舞踊、音楽のパフォーマンスが行われ、夜には花火やランタンが空を彩ります。
9. シンガポール:伝統のるつぼを味わえる中秋節
最後にご紹介するのはシンガポール。シンガポールでは、中秋節は祝日ではないものの盛大に祝われます。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイやチャイナタウンなどでは華やかなランタンの展示やムーンケーキの販売で賑わい、多くの人々が集まります。
また、この時期限定のランタンの絵付けイベントや音楽のライブパフォーマンス、お月見イベントなどが行われ、お祝いムードが漂います。
シンガポールの中秋節についてはこちらのブログもチェックしてみてくださいね。
10. 最後に
今回は、世界各地の中秋節の祝い方についてお届けしました。
ご覧の通り、中秋節はアジアを中心に多種多様な祝い方や慣習によって人々へ語り継がれてきたお祭りです。
昔の伝説に基づくものの、その年の収穫を祝ったり、家族団らんをして更なる幸せや繁栄を願う人々の想いは各国に共通するものがありますね。
皆様にとって、今年の中秋節がますます思い出に残るものとなりますよう、本記事がご参考になれば幸いです。
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