シンガポール、AI脅威に備えたサイバーセキュリティ人材育成を強化
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
シンガポールは、アジアにおけるイノベーションとテクノロジーのハブとして急速に進化する人工知能(AI)の脅威に対応するため、サイバーセキュリティ分野の人材育成を強化しています。
特にAIの普及に伴い、敵対的なAIモデルがシンガポール国内のシステムを標的にするリスクが高まっていることを受け、デジタル開発情報省(以降MDDI)のジャニル・プトゥチェリ大臣は、強力な人材パイプラインの必要性を改めて強調しており、同省は先日サイバーセキュリティ人材育成に関する投資計画についての詳細を明らかにしました。
今回は、そんなシンガポールのサイバーセキュリティ人材育成計画に関する内容、そして需要の高まるサイバーセキュリティ職種に関するトピックスをお届けいたします。
【目次】
1.世界基準の認定プログラムに1万人のトレーニング枠を提供
2.必要性が高まるサイバーセキュリティ職種とは
3.サイバーセキュリティの重要性と国家戦略
4.最後に
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1.世界基準の認定プログラムに1万人のトレーニング枠を提供
MDDIは、サイバーセキュリティの基礎スキルを習得したい人や業界でのキャリアを目指す人々に向け、今後3年間で約1万人分のトレーニング枠を提供する計画を発表しました。
このトレーニングは、国際的に認知されている国際情報システムセキュリティ認定コンソーシアム(ISC2)が提供する「Certified in Cybersecurity」コースを通じて実施されます。
ISC2の取り組みは、世界で100万人分の無料認定コースと試験を新たに提供することを目指しており、今回の国内の施策はこれに沿った形で実施されます。
2.必要性が高まるサイバーセキュリティ職種とは
実際にシンガポールでは、目下のサイバーセキュリティ強化策として以下のような専門職が注目されています。
2‐1. サイバーセキュリティアナリスト
サイバーセキュリティアナリストは、企業や組織のITシステムをサイバー攻撃やデータ侵害から守るために、システム監視、脅威の分析、防御策の実施を行う専門職です。
スキルにはネットワークセキュリティ、暗号化、侵入検知システムの知識が含まれ、「Certified in Cybersecurity」の資格を持つアナリストは、AI脅威に対抗するためのシステム監視と防御の要となります。
2‐2. インシデントレスポンダー
インシデントレスポンダーは、サイバー攻撃やシステム障害などのセキュリティインシデントが発生した際に、迅速かつ適切に対応する専門家です。
攻撃の影響を最小限に抑えるために、被害調査、原因究明、復旧作業を行います。
また、同様の攻撃を防ぐために再発防止策を提案することも重要な役割です。
危機管理能力とセキュリティツールの運用知識が求められます。
2‐3. ネットワークセキュリティエンジニア
ネットワークセキュリティエンジニアは、企業や組織のネットワークを保護する専門家です。
ネットワークの設計・構築・運用を通じて、ハッキングやデータ侵害を防ぐセキュリティ対策を担います。
堅牢なセキュリティシステムを構築することで、企業の信頼性と運用の安定性を保つため、非常に重要な職種です。
2‐4. AIセキュリティスペシャリスト
AIセキュリティスペシャリストは、AI技術を守るために特化した専門家です。
AIモデルやシステムの安全性を確保し、不正操作やデータ改ざん、悪意あるAIによる攻撃を防ぐ役割を果たします。
AI技術の発展とともに、セキュリティ上のリスクも増大しているため、AI固有の課題に対応できる知識とスキルが求められます。
2‐5. クラウドセキュリティアーキテクト
クラウドセキュリティアーキテクトは、クラウドベースのシステムやデータを保護するための設計と実装を担当する専門職です。
特に、データの暗号化、アクセス制御、セキュリティポリシーの策定に注力しています。
2‐6. セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、企業や組織に対してサイバーセキュリティの戦略や改善提案を行う専門家です。
リスク評価を通じて脆弱性を特定し、対策の設計や運用をサポートしつつ、業界標準や法規制を考慮しながら、最適なセキュリティポリシーの導入を助言する役割を担います。
2‐7. IoTセキュリティエキスパート
シンガポール工学技術者協会と協力し、IoT機器の脆弱性に対応する専門家の需要が高まっています。
IoTセキュリティエキスパートは、スマートデバイスやIoT(モノのインターネット)、例えばセンサーや家電、自動車などのネットワークをサイバー攻撃から守る専門家です。
エキスパートは、脆弱性の特定、セキュリティ基準の実装、デバイスの暗号化を行い、システム全体の安全性を確保します。
2‐8. デジタルフォレンジックアナリスト
サイバー攻撃やデータ侵害の調査を専門とする職種です。
コンピュータ、ネットワーク、デバイスから証拠を収集し、事件の原因を特定する役割を担います。
2‐9. セキュリティ意識トレーナー
セキュリティ意識トレーナーは、従業員や組織全体に対し、サイバーセキュリティの重要性と対策を教育する専門家です。
フィッシングメールやパスワード管理のリスクなど、実務に関連する脅威への理解を深めるとともに、具体的な防止策を学ぶ研修を実施します。
2‐10. セキュリティポリシーアーキテクト
組織全体で実施されるセキュリティ対策の方針や基準を設計・策定する専門家です。
彼らは業界の規制や最新の脅威に基づいて、包括的なポリシーを構築します。
また、これらのポリシーを実行可能にするためのプロセス設計やツール選定も行います。
3.サイバーセキュリティの重要性と国家戦略
これらの職種は、シンガポール人材省が公表している国の不足職業リスト(SOL)にも多く含まれており、同国の情報通信技術分野の重要性を示しています。
また、シンガポール政府はデジタル経済の発展を見据え、今後3年間で5,000万シンガポールドル(約57億円)を「サイバーセキュリティ人材・イノベーション・成長計画」に投資することを表明しました。
この計画では、サイバーセキュリティ分野のプロフェッショナル化と人材の強化を目指しています。
4. 最後に
今回は、シンガポールでのサイバーセキュリティ人材の育成計画、そして求められる職種に関するトピックスをお届けしました。
国家としてAIやデジタル化を推進するなか、その脅威への対応は単なる短期的な取り組みではなく、デジタルな未来を守っていくための戦略的施策と言えます。
私たち外国人がシンガポールで就労するためにはエンプロイメントパス(通称EP)やSパスなどをはじめとした就労ビザを取得する必要がありますが、求人によっては外国人へ門戸を開いているものもあります。
多様なバックグラウンドを持つ人材が国のサイバーセキュリティ分野に参入し、成長性のある分野で活躍することが期待されていると言えるでしょう。
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