シンガポールでオフィスの人間関係を向上させてチームワークを高めるためのポイントとは

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

周囲のチームメンバーと円滑な関係を築くことは、仕事を上手く進めるための基本原則と言っても過言ではありません。

一方で、多様な文化が共存するシンガポールでは、それがなかなか難しいと感じられる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、シンガポールの職場で良いチーム関係を作り、維持していくための効果的な方法について、データを交えながらご紹介いたします。


【目次】
1.シンガポールの職場の多様性を理解する
2.チームワークを高めるための5つのポイント
3.シンガポールにおける成功事例
4.最後に


1. シンガポールの職場の多様性を理解する

まずはシンガポールの職場構成について振り返ってみましょう。

シンガポールで働く人々は、中華系、マレー系、インド系などさまざまな民族で構成されており、多様性に富んでいることで知られています。

この多文化の環境は、結束力のあるチーム作りにチャンスや課題をもたらします。

シンガポール統計局によると、2021年の居住労働力の内訳は、中華系が約74.3%、マレー系が約13.5%、インド系が約9.0%となっており、残りの3%に私たち日本人やその他の民族が入っているという構成になっています。

このため、多文化を理解しながら、それを強みに変えられるようなチームビルディングの実践の必要性が浮き彫りになっています。


2. チームワークを高めるための5つのポイント

実際に、このような環境でいかに人間関係を円滑にしチームワークを高めれば良いのでしょうか。

以下に5つのポイントをご紹介いたします。


2‐1.オープンなコミュニケーションの促進

まずはコミュニケーションを見直すことが肝要だと言えます。

チーム内の信頼と協力関係を築くには、オープンなコミュニケーションが不可欠です。

文化やバックグラウンドは違えど、それぞれの従業員に自身の持つアイデアや困っていること、そして上司へのフィードバックなどを推進することで、透明性と相互尊重の文化が育まれます。

Institute of Policy Studiesの調査によると、実際にシンガポールの従業員の87%が「上司とのオープンなコミュニケーションを重視している」と回答しており、コミュニケーションの重要性がうかがえます。

特に様々な働き方が推進されている今だからこそ、コミュニケーションの見直しは大切でしょう。


2‐2.多様性とインクルージョンを受け入れる

多様性を受け入れるとは、チームメンバーそれぞれが持つユニークな視点を認識し、評価することです。

シンガポールでは、ダイバーシティとインクルージョンを優先する企業ほど業績が向上する傾向があるということも調査で明らかになっています。

人材省(MOM)のレポートによると、多様なチームを持つ組織では、イノベーションと従業員満足度が高いと報告されています。


2‐3. 定期的なトレーニングと能力開発

従業員の継続的な能力開発に投資することは、一人ひとりのスキル向上と帰属意識の醸成に役立ちます。

文化的感受性やリーダーシップ、チームワークに関するワークショップは、多様なチームで効果的に働くために必要なツールを従業員に提供することができます。

Human Capital Leadership Institute(HCLI)の調査によると、従業員の能力開発に投資しているシンガポール企業の78%が、チームダイナミクスに良い影響を与えていることが分かっています。


2‐4. ポジティブな職場環境の醸成

ポジティブな職場環境は高い士気と生産性を維持するために極めて重要です。

これはチームビルディング活動や表彰プログラム、コラボレーションを促進するスペースづくりなどを通じて醸成することができるでしょう。

Singapore Human Resources Institute(SHRI)によると、実に82%の社員が「職場で評価されていると感じることで、よりやる気やモチベーションが高まる」と回答しています。


2‐5. 明確な目標と期待することの設定

ビジネスの目標と期待することを明確にすることで、チームメンバー全員が足並みを揃え、共通の目標に向かって取り組むことができます。

定期的な確認の機会やパフォーマンス・レビューは、全員が軌道に乗り、問題があれば迅速に対処することに役立つでしょう。

コンサルティング企業であるGallup社が行った調査では、目標が明確に定義されているシンガポールのチームは、目標達成に成功する確率が2.3倍高いという結果が出ています。


3. シンガポールにおける成功事例

上記のポイントを実践しているシンガポールの企業例もご紹介したいと思います。

例えばシンガポールの大手金融機関の一つであるDBS銀行は、その強固なチーム文化が評価されています。

同行は、オープンなコミュニケーション、継続的な学習、イノベーションを重視しているとされ、従業員への様々な働きかけを公表しています。

それだけではなく、新卒生やインターンを受け入れ、最新テクノロジーに関する教育機会を提供するプログラムなどのサステナブルなイニシアチブを取り入れていることも特徴です。


他にも、グーグル・シンガポールは定期的に多様性に関する社員研修を実施し、社員が独自の視点を共有できる場を提供していることを公表しています。

また、多様な環境を社員一人ひとりが前向きに捉えることで、コミュニティ意識を高め、チームの結束を高めています。


4. 最後に

今回は、シンガポールでオフィスのチームワークを高めるためのポイントとその事例について、詳しくお届けしました。

多様なバックグラウンドを持つ社員が一丸となって働くシンガポールでは、オープンなコミュニケーションや前向きな職場環境、明確な目標を共有する、などといった多角的なアプローチが不可欠です。

一方で、シンガポールの多文化的な環境は、組織が多様な視点を活用しながら活気ある職場環境を創造する、またとない機会を提供しているとも前向きに捉えることができます。

チームの人間関係を優先することで、より包括的でダイナミックな労働力を構築することができるのではないでしょうか。

本情報がご参考になれば幸いです。

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