2026年から飲料容器に10セントデポジットが!シンガポールのリサイクル事情

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

先日、シンガポール国家環境庁(National Environment Agency: 以降NEA)は、2026年7月より正式に「飲料容器返却制度(Beverage container return scheme)」を導入すると発表しました。

これは、シンガポール国内で販売するペットボトルや缶の飲料に10セントのデポジットを課し、消費者が指定されたリサイクルボックスに空の容器を戻すとそのデポジットが返ってくるという仕組みだそう。

サステナブルかつグリーンな国家を目指し、2030年までに達成すべき目標「Green Plan 2030」を掲げているシンガポール。

先進的な取り組みを多く行っており、この話題には在住者としてもハッとさせられました。

そこで今回は、この飲料容器返却制度とシンガポールのリサイクル事情について迫りたいと思います。

【目次】
1.飲料容器返却制度とは?
2.導入の背景
3.シンガポールのリサイクル事情
4.最後に


1. 飲料容器返却制度とは?

今回NEAが発表した飲料容器返却制度では、150mlから3Ⅼまでのボトルや缶などが対象となります。

飲料を購入する際に容器分として10セントを支払う代わりに、飲み終わった容器をリサイクルボックスに返却することで、デポジットが返ってくるという仕組みです。

デポジット制度を導入することで、私たち消費者がきちんとリサイクルに容器を出し、出された容器を正しくかつスムーズにリサイクルする流れを構築することを目指しています。

リサイクルボックスの設置は再来年の2026年7月に完了し、正式に開始されるようですが、10セントのデポジットが課されるのは2026年4月からだそう。


リサイクルボックスの設置場所については、現時点ではシンガポール国内の約1,000店のスーパーが予定されています。

特に床面積が200m2を超える大型スーパーマーケットでは、返却ポイントの設置が義務付けられます。

一方で、今後はコミュニティセンター等の人が集まる場所にも追加設置することも検討されています。


なお、飲料を販売するメーカーが空の飲料容器の回収とリサイクル費用を負担し、運営していくようです。

対象となる飲料製品を輸入または製造する生産者はマストで本制度に参加が求められます。

また、今回の制度は一旦ライセンス期間で区切られ、2033年の3月31日までとされています。

NEAによると、この制度の3年目にあたる2029年に目標とする回収率80%を達成することを目指しています。

これは、年間10億個と推定される飲料容器のうち、約8億個がリサイクルのために返却される計算です。


2. 導入の背景とシンガポールのリサイクル事情

飲料容器返却制度は、2019年に「Recycle Right Citizens' Workgroup」によって提案されたもので、NEAやその他ステークホルダーとともに何度も協議を重ねて導入を決めたそう。

導入の背景には、シンガポールのリサイクル率とリサイクル汚染率が深く関係しています。

去る6月19日にNEAが公表した2023年の廃棄物統計では、2023年の家庭のリサイクル率は過去10年間で最低となり、2022年と同じ12%しかリサイクルされなかったという結果でした。

その背景として、2022年にはリサイクル用に輸出される紙、段ボール、繊維、皮革の量が減少したためとしていますが、本来、シンガポールの国内リサイクル率は通常20%前後で推移していることを鑑みるとかなり低い結果となったようです。


また、同調査によるとシンガポール国内の72%の家庭がリサイクルを行ったと回答したそうです。

これは、2021年の64%から上昇したにもかかわらず、この数年の人口の増加、また今回の調査への参加人数を鑑みても国内のリサイクル率は低いとの講評でした。

また、家庭部門と非家庭部門の両方の数字を含む全体のリサイクル率は52%で、2021年の57%から低下したという結果でした。


リサイクル率と同じく、同省によると国内ではリサイクル汚染も依然として大きな課題となっています。

家庭ごみの食品などの非リサイクル品が混載リサイクル容器に混入されると、本来リサイクルが可能な容器も汚染されてしまい、捨てなければならなくなるそう。

NEAは国内リサイクル品の汚染率も算出しており、リサイクル汚染率は40%で「本来リサイクルすべきゴミの約4割が汚染されて使用ができなくなってしまっている」としています。


これらの背景を鑑み、今回の容器返却制度は現状の課題への対応策としても大きく貢献することが期待されています。


3. 最後に

今回は、シンガポールが再来年に導入予定の飲料容器返却制度とシンガポールのリサイクル事情について詳しくお届けしました。

ご紹介した本制度の詳しいフローや詳細についてはNEAのホームページをご参照くださいませ。

国家として2030年までに達成すべきサステナビリティ目標「Green Plan 2030」を掲げつつ、一人ひとりには「Reduce, Reuse, Recycle(減らす、再利用する、リサイクルする)」をしっかり浸透させ着実に課題解決へ向けて歩み進めるシンガポール。

10年後、20年後も快適に生活のできる国づくりのために、一人ひとりの意識改革が求められています。

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