IMDデジタル競争力ランキング2024、シンガポールが7年ぶりの世界首位に


こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。

今年6月にIMD国際競争力ランキングで見事1位を獲得したシンガポールですが、またしても快挙です。

同じIMD (国際経営開発研究所)が主催する「デジタル競争力ランキング2024」においても、首位を奪還しました。

先述の国際競争力ランキングより、国家のデジタル面での発展度に特化したこのランキング。

シンガポールが評価されたポイントや諸外国のランクなどをお届けしてまいります。

 

【目次】
1. IMD「デジタル競争力ランキング」について
2. デジタル競争力ランキング2024~トップ10&アジア諸国
3. 首位シンガポールの評価
最後に

 

1.  IMD「デジタル競争力ランキング」について

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表するデジタル競争力ランキングは、今年で8年目となる格付けです。

35年続く国際競争力ランキングに比べると歴史は浅いものの、デジタル技術の整備度が国の発展を左右する近年の政治経済環境から、注目度の高いランクとして知られています。

ランキングには、今回ガーナ、ナイジェリア、プエルトリコを加えた世界67ヶ国が参加。

実データと、企業や政府幹部からのアンケート回答に基づいて、3つの主要カテゴリー「知識」「テクノロジー」「未来への備え」に分けて各国を評価しています。

3つの主要カテゴリーにはそれぞれ3つ、計9つの下位要因が紐づき、更に細分化されて最終的に59の指標において各国を評価、ランキングが発表される仕組みとなっています。

知識 (新興技術の発見・理解・開発に必要なノウハウ) ……人材、教育、科学的な集中
テクノロジー (デジタル技術の発展を可能にする背景) ……規制の枠組み、資本、技術的枠組み
未来への備え (DX-デジタルトランスフォーメーションを活用するための準備レベル) ……適応への姿勢、ビジネスの敏捷性、IT統合

最終報告書には、総論だけでなく参加国すべてのランク・評価が記されており、これによって参加した各国の政府や企業がDXに着手する際の手助け、例えばどこにリソースを集中すべきか、またどのような慣例があるかといったことを学べる仕様になっています。

 

2. デジタル競争力ランキング2024~トップ10&アジア諸国


ランクの上位と、アジア地域諸国の順位をご紹介していきます。※(  )内は前年度順位

 1位: シンガポール (3)
 2位: スイス (5)
 3位: デンマーク (4)
 4位: 米国 (1)
 5位: スウェーデン (7)
 6位: 韓国 (6)
 7位: 香港 (10)
 8位: オランダ (2)
 9位: 台湾 (9)
 10位: ノルウェー (14)

驚くべきは、国際競争力ランキング2024の上位国と近似している点です。

デジタル競争力が、結果的に国家としての競争力と相関していることが分かります。

 

アジア諸国の順位は以下の通りでした。

日本は31位と、昨年より1ランク上げたものの、国際競争力ランキングでの38位と同様に30位台に位置づけています。

14位: 中国 (19)
31位: 日本 (32)
36位: マレーシア (33)
37位: タイ (35)
43位: インドネシア (45)
51位: インド (49)
61位: フィリピン (59)
64位: モンゴル (63)

 

3. 首位シンガポールの評価

シンガポールは、昨年より2つ順位を上げ、今回見事に首位に立ちました。

シンガポールの強みとしては、都市管理、ハイテク分野の特許数、金融サービス、官民パートナーシップが挙げられています。

また、「人材」「規制の枠組み」「適応への姿勢」「ビジネスの敏捷性」「IT統合」といった要因においてそれぞれ1位を獲得しています。

一方で、首位という栄えある位置づけながらも他国に遅れをとる要因には、「デジタル教育への公的支出(65位)」「デジタル学位をとった女性の数(41位)」「女性研究者の数(44位)」「通信分野への投資(60 位)」「現行法におけるプライバシー保護の度合い(48位)」がありました。

これらは今後のシンガポールの課題として提示されています。

 

ちなみに日本は、ランク上位項目から最下位項目までが入り乱れる、やや混戦した評価でした。

強みは「高等教育における教師対生徒の割合(3位)」「ワイヤレス通信の普及(2位)」「ロボット普及率(2位)」「ソフトウェアの著作権保護(2位)」「国民のICT参加度(1位)」。

弱みとしては「国際経験(67位)」「デジタルスキル(67位)」「(ビジネスの敏捷性分野における)機会と脅威(67位)」「企業の敏捷性(67位)」「ビッグデータ利用・分析(64位)」が指摘されています。


最後に

IMD主催「デジタル競争力ランキング2024」の結果概要をお届けしました。

AI分野でのシンガポールの今日の発展度合いにも通じるものがあり、背景として官民パートナーシップや先を見据えたデジタル教育への投資・人材育成がシンガポールの強みとして改めて浮き彫りになった結果でした。

一方で、世界ではデジタル格差の広がりという問題も指摘されています。

裕福な経済圏やインフラが整備された地域はデジタル競争力を保てますが、そうでない国家や、例えば国家内でも農村部などにとってはそうではありません。

IMDの報告書においても、AI、ブロックチェーン、量子コンピューティングの領域の開発加速によって、今後更なるデジタル格差の拡大が広がる見方が示されています。

 

今後も社会を大きく動かしていくデジタル技術。

それぞれの国家がどう向き合い取り組むかによって、国際社会の中でのプレゼンスを大きく決定づけることを、このランキングは示しています。


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