シンガポールにおける燃え尽き症候群とストレスの深刻化 企業に求められる新たな対策とは

こんにちは。

リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。

近年、働く一人ひとりのメンタルウェルビーイングが話題に上がるなか、バーンアウト(いわゆる燃え尽き症候群)やストレスが深刻な課題として浮上しています。

ポスト・パンデミックの時代において、企業が従業員にとって働きやすい職場環境を整備し、従業員のウェルビーイングを向上させることがますます重要になっています。

一方で、最近の調査結果からは、こうした取り組みが進んでいるにもかかわらず、多くの労働者が依然として大きな負担を感じているという実情が明らかになっています。

一時的な対策ではなく、長期的なサポートと新しい働き方の導入など、大きな変革が今、企業に求められているのかもしれません。

そこで今回は、シンガポールの労働市場におけるバーンアウトとストレスについて、いくつかのデータをご紹介しながら詳しく掘り下げていきたいと思います。

【目次】
1. 若年層に広がる燃え尽き症候群「バーンアウト」
2. ストレスの増加とその要因:経済的負担の影響
3. リモートワークの役割と限界:柔軟な働き方の可能性
4. メンタルヘルスサポート不足がもたらす課題と企業の責任
5. 最後に


1.  若年層に広がる燃え尽き症候群「バーンアウト」

シンガポールのHRソフトを扱う企業「Employment Hero」が公表した2024年の「職場のウェルネス報告書」によると、シンガポールの従業員の61%が現在バーンアウトを経験していることが分かりました。

これは、2022年の62%からごくわずかな改善が見られるものの、依然として高水準にあると言えます。

特に影響を受けやすいのは若年層で、1990年半ばから2010年代生まれを指すZ世代(68%)とそれ以前に生まれたミレニアル世代(65%)と若年層の割合が際立っています。

キャリアの初期段階にあるなか、長期的な成長が期待される一方で、早い段階でのバーンアウトは職業人生全体にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。


バーンアウトとは、単に「疲れている」という状態ではなく、感情的、身体的、そして精神的なエネルギーが消耗され、仕事への興味や熱意が失われている状態を指します。

これは、業務の効率が下がるだけでなく、従業員が職場から孤立感を感じるなど、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。

企業が若年層の働きやすい環境を構築し、成長を支援することは、将来の持続的なビジネス成功にもつながる重要な要素です。


2. ストレスの増加とその要因:経済的負担の影響

バーンアウトと同様に、シンガポールの労働者の多くが慢性的なストレスに悩んでいることも深刻です。

同報告書によると、39%の従業員が週に数日間ストレスを感じ、36%が月に数日間のストレスを感じているとしています。

この背景には、生活費の上昇や経済的な困難が挙げられ、特にGST率の引き上げやインフレなどの経済的要因が個人の負担を増大していると言えます。


こと経済的負担は、従業員の生活の安定やメンタルヘルスに直接的な影響を与えます。

カナダのヘルステック企業である「Telus Health」の調査によると、シンガポールの労働者の47%が1日の仕事を終えた時点で精神的または肉体的に疲れ果てていると回答しているそう。

ほぼ半数にも迫る勢いの回答者が感じている疲労感は、仕事と家庭生活を両立させる上でも大きなハードルとなり、最終的には生産性の低下やモチベーションの喪失につながる可能性が高いといえるでしょう。


3. リモートワークの役割と限界:柔軟な働き方の可能性

メンタルウェルビーイングの向上策、そして従業員からの希望の多い働き方として挙げられるリモートワークの需要は依然として高まっており、同調査でもシンガポールの従業員の56%がリモートワークを通じてメンタルヘルスに満足していると回答したそうです。

特に完全リモートで働く従業員では、この割合が71%に上昇しており、リモートワークが従業員のワークライフバランスに与えるプラスの影響が見て取れます。


リモートワークの柔軟性は、仕事とプライベートの両立を促進し、多くの従業員がこの働き方を魅力的と感じています。

しかしながら、リモートワークが必ずしも万能の解決策ではない点にも留意が必要です。リモート環境では、仕事とプライベートの境界が曖昧になることで「常に仕事モード」の状態が続きやすく、リフレッシュが難しくなることもあります。

企業に求められるのは、リモートワークが社員のメンタルヘルスを支えるためのものであることを念頭に置き、適切なガイドラインを提供することだと言えるでしょう。


4. メンタルヘルスサポート不足がもたらす課題と企業の責任

シンガポールの企業がメンタルヘルス支援に対してどの程度の施策を講じているかについても、依然として課題が多い状況です。

Telus Healthの調査では、52%の従業員が職場でのメンタルヘルスプログラム(機密性のあるカウンセリングやコーチング、ウェルビーイングサービスなど)が提供されていないと回答しています。

バーンアウトやストレスが蔓延している中で、こうしたサポートの薄さには未だ課題が残ります。

このような課題を解決させるためには、メンタルヘルスを優先事項として捉え、職場環境を改善することが必要です。

例えば、定期的な業務量の見直しや柔軟な勤務形態(FWA)の導入、そして包括的なメンタルヘルスサポートを提供することにより、従業員の疲労やストレスを軽減し、長期的なウェルビーイングの向上が期待できるでしょう。


5.最後に

今回は、シンガポールの職場でのバーンアウトやストレスの現況、そして企業ができる対策について詳しくお届けしました。

特にこれからビジネスを支える礎になる若い世代のバーンアウトやストレスについては対策が必要だと言えます。

企業としては、さらに従業員のメンタルヘルスを重視し、バーンアウトやストレスを軽減するための取り組みを強化することが求められます。

また、単なる短期的な対策にとどまらず、長期的にウェルビーイングを推進する職場文化の構築も欠かせないでしょう。


ビジネスの発展のためには、その労働力の健康と幸せが基盤となります。

企業がメンタルヘルス支援に投資し、従業員が仕事と私生活を両立し、意欲を持って働ける環境を提供することで、健康で生産性の高い労働力が維持され、未来のビジネスを支えていくのではないでしょうか。

今、一人ひとりに対応や対策が求められています。
 

===============
日系の人材紹介会社リーラコーエン シンガポールは、

シンガポールでのフルタイムやパートタイムでのお仕事紹介だけではなく、あなたに合わせたキャリア構築・面接対策などを無料で承っております。

納得のいく転職を、経験豊富なキャリアコンサルタントが最後までご支援させて頂きます。

シンガポール国内転職・キャリアアップに興味をお持ちの方は、是非お気軽にご相談くださいませ。

★☆最新求人方法はこちらから★☆

また、就労や生活情報など、シンガポールでの時間をより豊かにするための最新情報をブログにてお届けしています。

どうぞお見逃しなく!

シンガポール転職に関する記事はこちらから
シンガポール生活情報の記事はこちらから
シンガポールでの子育てに関する記事はこちらから

またこのブログ内容は、フェイスブックおよびインスタグラムでも配信しておりますので、

是非いいね・フォローをお待ちしております。

>>ついにチャンネル登録者3,500名突破<<<

毎週、シンガポール拠点とその他アジア拠点からお届け!

動画で"海外で働く・生活する"を知る、Reeracoenチャンネル

ぜひチャンネル登録・イイね!を宜しくお願い致します。

最新の動画:【海外就職】よくある質問 / 最適な時期・入社までの期間・在宅勤務・休暇申請・医療費etc..